表参道で2013年12月に惜しまれながら閉店した伝説の珈琲店”大坊珈琲店”。
私が本格的にバリスタを志した時にはもう大坊珈琲店は閉店をしてしまっていたため、実際にお店には行ったことがありません。
ブルーボトルの創業者であるジェームズ・フリーマン氏が懇意にしていた店としても話題になったこともあって、大坊珈琲店の存在をその時に初めて知りました。
もう少し早くお店のことを知っていたら絶対に通ってみたいと思っていたので、大坊珈琲店が無くなってしまったのは本当に残念です。
ですが、今回たまたま東京カフェマニアというサイトを見ていた時、大坊珈琲店の味が再び楽しめるというイベントを発見しました。
これを見つけた時、これは絶対に行くしかない!
今回、イベントが行われたのは、青山にあるとあるイベントスペース(会議室)。
会場の入口には当時のお店の看板が立てかけられており、その看板も非常に趣を感じます。

中に入ると、大坊珈琲店に関する書籍やこのイベントのために焙煎してくださったコーヒー豆がズラッと並んでいます。

そして、イベントで使用するネルドリップの抽出器具やお鍋、カップ(形も様々)も、テーブルにビッシリ並んでいました。

この光景を見るだけで、コーヒー好きの私としてはとてもワクワクしてきます。
今回の参加者は20名程いらっしゃったのですが、きっと皆さん同じ気持ちだったと思います。
そして、いよいよ大坊珈琲店の店主でもある大坊勝次さんが登場!
本やウェブの記事でしか見たことの無かった、コーヒー業界にとってレジェンドのような存在の大坊勝次さん。

今回のイベントは、大坊勝次さんがネルドリップで実際にコーヒーを2種類淹れてくださった、それを飲みながら大坊勝次さんのお話しをお伺いするという内容です。
淹れてくださったコーヒー2種類は、当時実際にお店で出していたブレンドコーヒーです。
大坊珈琲店のコーヒーの特徴は、何といっても深煎り!
しかも、ただの深煎りではなく、極深煎りです!!
深煎りと言うと苦いだけのイメージがありますが、大坊珈琲店のコーヒーは苦味の中に甘みやまろやかさ、優しさも感じられ、非常にインパクトのある美味しいコーヒーという印象を受けました。

この甘みやまろやかさを表現するために、特に焙煎具合。
大坊珈琲店が創業したのが、大坊勝次さんが27才の時。
今から約50年ほど前になるのでしょうか。
今でこそコーヒーは多様化してきており、産地をフォーカスするお店もあれば、焙煎にフォーカスをするお店もあります。
ですが、その当時は焙煎にこれだけフォーカスするお店はあまり無かったようです。
焙煎によって味の違いを表現し、その時々のお客様の気分などによって、焙煎度合いの異なるコーヒーを提案する。
これは、当時は非常に斬新で珍しかったのかもしれません。
大坊勝次さんは、この焙煎というものへのこだわりを曲げず、信念としてなさっていたからこそ、きっと50年もの長い年月お店を続けてこれたのだろうと私は感じました。
表参道という大激戦区で珈琲屋を50年続けていくことは、本当に並大抵ではないと思います。
大坊勝次さんのお話しやコーヒーを淹れる所作を拝見させていただき、50年積み上げてきた重みみたいなものをひしひしと感じたのです。
私のようなまだまだ未熟者が、大坊勝次さんや大坊珈琲店について語るなんて滅相もないことだと思います。
今回のイベントはたった2時間という短い時間ではあったけれど、私がこれからコーヒーの仕事をしていくうえでかけがえのない経験になりました。
大坊珈琲店をテーマにしたイベントは不定期ですが今後も開催していくとのことですので、ぜひまた参加させていただき、もっと色々なものを吸収したいなと思いました!
★東京カフェマニアホームページ
最後に、大坊勝次さん。
凄い素敵な方だったなぁ。

自分も、お爺ちゃんになったら、ああいう珈琲人になりたいものです。
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