インスタント、缶コーヒー、コンビニ、専門店の違いについて




元コーヒー嫌いのバリスタがコーヒーの世界を紹介します

はじめまして、元コーヒー嫌いのバリスタ、柳隆晴です。この連載では、「コーヒー初心者がコーヒーを楽しめるキッカケになる」をテーマにお届けしていきます。
コーヒー雑学、私たちバリスタのこと。私がオススメするカフェなど。幅広くお伝えしていく予定です。ぜひ楽しみにしていてくださいね。

たくさんあるコーヒー、違いがわかりますか?

突然ですが、皆さんは普段どんなコーヒーを飲んでいますか? インスタント、缶コーヒー、コンビニコーヒー、コーヒー専門店など。現在の日本では、コーヒーは多岐に渡って楽しめる存在になっています。

実は、日本の清涼飲料水の品目販売金額(2021年度)は、「コーヒー飲料」が茶系飲料やミネラルウォーター類を抑えて第1位になっています。それだけ、コーヒーは日本人にとって間違いなく馴染み深い飲みものであると言えると思います。

では、これだけさまざまな種類のあるコーヒーですが、インスタント、缶コーヒー、コンビニコーヒー、コーヒー専門店でいったい何が違うのでしょうか? 同じコーヒーなのに、なぜ味や値段が違うのか?

今回は、コーヒー豆の品質という観点から、これらの違いについて紐解いていこうと思っています。コーヒーにちょっとでも興味のある方。ぜひ、読んでいただけるとうれしいです。

コーヒーにはグレードがある

コーヒー豆にはさまざまな種類がありますが、実は品質に応じてランク付けがされています。このランク付けをわかりやすく表したものとしてコーヒーピラミッドというものがあります。

コーヒーピラミッド

スペシャルティコーヒーの”ワタル”に所属する経験豊かなカップテイスターが、COEカッピング評価基準 または SCAJカッピング評価基準 をもとにコーヒーをランク分けしたもの。

聞き慣れない言葉がいくつか出てきましたので、補足で解説をしていきます。

スペシャルティコーヒーのワタル

日本を代表するスペシャルティコーヒーの輸入業者。
※スペシャルティコーヒーについては、後述します。

カップテイスター

コーヒー豆を鑑定するために、味覚検査をする人。人並み以上の味覚や嗅覚が必要とされ、酸味、香り、コク、甘味、苦味の確認、異味異臭の有無のチェックをします。

COE

Cup of Excellence(カップオブエクセレンス)。年に1度行われるスペシャルティコーヒーの批評会のこと。

カッピング

同じ条件下でコーヒーの品質を比べて評価すること。

SCAJ

Specialty Coffee Association of Japan。日本スペシャルティコーヒー協会の略称。日本でスペシャルティコーヒーの普及、啓蒙活動をする組織。

コーヒーピラミッドにおけるランクは大きく4つに分けられます。

スペシャルティコーヒー

コーヒーピラミッドの頂点のスペシャルティコーヒーはカップ評価が100満点中の80点以上で、農園や生産方法、流通経路などのこまかい情報がはっきりしているものを表します。

プレミアムコーヒー

カップの評価が76〜80点で、品種や生産地が特定されたコーヒー豆。ブルーマウンテン、キリマンジャロ、ハワイコナなど、有名で聞き慣れた銘柄が多い。

コマーシャルコーヒー

カップの評価が76点未満のコーヒー。品種や生産地が不明瞭で、ブレンドして販売されています。流通量がもっとも多いランクで、スーパーやコンビニなどの量販店に陳列されている、手軽に安く飲めるコーヒー。

ローグレードコーヒー

コーヒーのランク分けで一番下に当たるのがローグレードコーヒー。缶コーヒーやインスタントのコーヒーの原料として使用されています。

インスタント、缶コーヒー、コンビニ、専門店はどれに当てはまる?

では、インスタント、缶コーヒー、コンビニ、専門店はどのグレードに当てはまるのでしょうか?

コーヒーピラミッドを元に分類していくと、

・缶コーヒー、インスタントコーヒー → ローグレード
・コンビニコーヒー → コマーシャル、プレミアム
・専門店 → プレミアム、スペシャルティ

上記のように当てはめられると思います。

コンビニコーヒーは、基本はコマーシャルコーヒーだと思いますが、最近だと価格帯が少し高めなプレミアムコーヒーを提供していたりしています。また、ファミリーマートは、バリスタ世界チャンピオンの粕谷氏がコーヒーのプロデュースをしており、コーヒー豆の配合にもこだわっています。その際に、プレミアムのコーヒーをブレンドとして使用している可能性も高いと思います。

専門店は、スペシャルティコーヒーしか扱っていないお店もあれば、大手チェーン店のようなプレミアムをメインに提供しているお店など。本当に様々だと思います。特に、街で最近多く見かける”◯◯Roasters”と名前のついている自家焙煎のお店では、ほぼスペシャルティコーヒーを使用しているのではないでしょうか。

お店に行ったとき、「どこの豆を使ってるんですか?」と店員さんに聞いてみると良いかもしれません。

まとめ

ここまで、インスタント、缶コーヒー、コンビニコーヒー、専門店における違いを、コーヒーの品質という点から説明してきました。

数十年前と比べると、コーヒーの品質は全体的に上がってきており、ローグレードでも侮れなくなってきていると思います。

また、品質だけではなく、焙煎技術やコーヒーマシンの進化など、幅広い要素が向上してきており、コンビニコーヒーでも100円とは思えないような味わいが感じられるようになりました。

手軽においしいコーヒーを飲めるようになったのはうれしいですし、コーヒーの楽しさの間口が広がるのはとても良いことだと思っています。

ですが、私はバリスタという仕事をしているので、やはりお店に来てコーヒーを味わってほしいというのが正直な気持ちです。

缶コーヒーやコンビニコーヒーに負けないよう知識や技術を高め、お店に足を運んでいただけるように精進していかなくてはと思いました。

ぜひ、バリスタの淹れるコーヒーを飲みにいらしてくださいね。

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